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【03.03.02】障害者のささやかな楽しみを奪わないで−県が福祉バス廃止へ

3月2日「愛知民報」

 障害者の研修やレクリレーションに重宝されてきた福祉バス貸出し事業を県が3月末で廃止しようとしていることがわかりました。障害者団体が2月19日、県庁を訪れ、存続を要請しましたが、県側は「市町村で運行を」の一点張り。「障害者のささやかな楽しみを奪うのか」と怒りの声があがりました。

“寝耳に水”と存続を要望−研修、温泉旅行に活用

 県の福祉バス「ふれあい号」は31人乗り。リフト付きで重度の障害者も利用できます。1978年に名古屋の百貨店の寄付金1千万円をもとに1号車を購入。91年、1700万円で更新しました。運転者とガソリン代は利用者負担ですが、利用料はタダ。昨年度は20団体が温泉旅行などに38回利用しました。

 県障害福祉課の説明では、廃止の理由は3つ。2005年3月にはNOx・PM法による排ガス規制でディーゼル車が使えなくなります。「ことし3月で車検の時期になるのを機に環境問題から廃止することにした」といいます。

 購入から11年余たっており、安全性に疑問があることもあげます。しかし県がもっとも強調するのは「福祉行政は住民に身近な市町村でやるのが原則」というものです。

障害者が外に出る強い味方

 福祉バスの存続を要望したのは、愛知肢体障害者こぶしの会(上田孝運営委員長)など6団体。「車いすを利用して安心して旅行ができ、ふだんあまり外に出られない者にとって強い味方だった」とした存続要望書を県障害福祉課の担当者に手渡しました。

 こぶしの会では、ことしも4月に行事を計画。2月に使用を申し込んだところ、廃止の予定と聞いてびっくり。上田さんらは「土曜、日曜も貸してもらえて助かっていたのに、なくなったら研修もできない。突然やめるとはどういうことか。利用者の意向も考えてほしい」と詰め寄りました。

 「市町村には小さいバスはあるが、県のバスに代るものはないのに廃止するのは無茶だ」と障害者団体の代表ら。名古屋市には1日1万円(運転手付き)の福祉バスがありますが、ほかの市町村では県と同規模のバスは持っていないといいます。とりわけ郡部の障害者団体にとっては、県の福祉バスだけが頼り。

 こうした要望に、県側は「県の福祉バスを使っていると、市町村のバス整備がすすまない」と逃げる一方、「県の福祉バス廃止については市町村に説明していない」と支離滅裂。98年度から国の事業としてリフトバス購入費700万円と運営費(5年間)300万円以内の補助がつくことになったといいますが、県下でこの制度を利用している市町村はないといいます。

 ついに県側は、「民間のバス会社もある」と言いだす始末。「民間だと費用がかかりすぎる。低所得の多い障害者には負担が重い」と障害者団体に切り返されました。

1ヵ月126万円のリース代で燃料電池車を導入しながら…全国初の公用車への導入と誇る

 「全国初の公用車への導入」と県が新年度予算案に盛り込んだトヨタ燃料電池車のリース代は月126万円。これにたいし、県の福祉バス運営費は年間53万円です。燃料電池車のリース代1年分ちょっとで福祉バス新車を購入できる勘定になります。

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