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【03.01.05】県政の明日を語る 日本共産党3県議てい談

2003年1月5日 「愛知民報」

左から堀一、きしの知子、林のぶとしの各県議。右端は司会の五島未来さん

きしの “老舗の党”の看板で

堀 市民運動を背に議会で

林 青年時代からの宿題を

聞き手 五島未来さん

小さいながら、県政を土台から動かす日本共産党県議団。めざましい活躍ぶりの、きしの知子(一宮市・葉栗郡)、林のぶとし(南区)、堀一(千種区)3県議の素顔に、愛知県委員会で一番若い五島未来(ごとう・みき)さん(22)が迫りました。

五島 県議会棟に来たのは初めてです。この4年間の議員活動で、この瞬間、歴史を動かしたと感じたことはありますか。

きしの いくつもあります。いったん一部負担金を持ち込んだ障害者や赤ちゃんの福祉医療を無料におしもどしたのは、全国でも少ないのでは。署名や運動、私たちの質問で世の中が動いていくのがリアルタイムで見える世界ですね。

 林 乳幼児医療無料制度の対象年齢拡大、県議会委員会の県民傍聴、豪雨時の災害弱者対策、洪水ハザードマップを提案していずれも実現しました。廃棄物対策、ツキノワグマ保護など自然環境対策も前進させてきました。

 大きかったのは海上の森での新住宅市街地開発事業の中止です。あれは新住事業が親亀で万博は子亀なんですよ。この親亀を中止に追い込んだ。幡豆の空港土砂取り中止とともに走りだした公共事業を止めたんです。

 ほかの会派は全部与党ですから、日本共産党のふんばりなくしてありえない。

 きしの 私たちの党の専売特許です。

 五島 共産党が議会に出れば政治が動く、県行政が変わっていくんですね。

 堀 東海豪雨のとき、神田知事が現場を放棄して自宅に帰ってしまったのを追及して「非があれば改めます」といわせたことは大事なことだったと思います。

 林 災害対策の最高責任者が万博会議出席のために県庁に不在だったんだから姿勢が問われます。「県民の命より万博が大事か」と。

 堀 私が地震対策を提起したときは、まだどこの会派も関心を持っていませんでした。それがいま、大きな柱になってきました。

新しい分野を切り開く

 五島 議会質問だけでなく、地域やいろいろな団体のみなさんといっしょになって運動するのも議員の仕事なんですね。


 堀 それが一番楽しいです。平和運動をライフワークに25年以上やってきて、共産党を好きな人、きらいな人、いろんな考えの人たちといっしょに運動していく面白さを味わってきました。きらわれると、何とかしゃべって親しくなってしまうという特性があって。

 県議会の万博特別委員会でも、市民運動を背景に活動できるのは、これまで信頼関係を築いてきたことが生かされているのかなと思っています。

 林 日本共産党の議員はそれぞれ個性があり、多彩な活動をしています。堀さんがいなければ、環境派や市民派のみなさんと議会活動を結合することはできなかった。新分野をきりひらいた新しいタイプの議員ですね。

 きしの 女性の問題では、ほんとに男性と対等な扱いを受けていない。私の実家は金物屋でしたが、商売で働く女性の平均賃金は時給473円。最低賃金の681円にはるかに及ばないのに、改善しようという姿勢がない。愛知というのは、人をつくる教育の仕事と伝統的なものづくりを粗末にしています。

 五島 現場で質問する材料を見つけるわけですね。

 きしの 情報を隠したり、談合、秘密の部分にメスを入れるには、まず現場を見ないと。「共産党の議員です」と老舗の党の“一枚看板”でどこでも行けます。初めて会う人が困っていると、それを実らせたい、何とかしようという情熱につながるんです。

 私たちには、開発型県政から福祉・暮らし優先の県政へ変えていこうという大きな展望がありますから、すぐ成果があがらなくても、ある日実ってくることがあるんです。県の職員ともいっしょに仕事をしていると思っています。

住民あっての議員です

 五島 すごいですね。

 堀 議員というのは住民あってのものだから。そういう人たちの声をたくさん県政に運ぼうと努力してきましたが、まだまだ足りないと感じています。さまざまな人たちの意見が県政に反映できるといいなと。

 アンケート調査をやると、「障害を持った息子を助けてほしい」とかいろんな返事が帰ってきます。そういう要求を県政、市政につなぎ、県民のみなさんが元気になるなら意義のあることかなあと思っています。

 五島 ほんとうにそうですね。林さんに聞きたいのですが、青年時代から環境問題に取り組んでいたんですか。

 林 環境保護運動のはしりです。でも住民要求には境がなく、切実な願いを実現するのが共産党議員の第一義的な仕事ですから、環境問題だけでなくオールラウンダーでありたいと思っています。

 あえて専門を言えば、空港、ダムなど大型開発、環境問題、議会運営の分野です。この4年間、百数十回、県内外の現場を見て、住民の声を聞き、資料を収集し、議会でとりあげてきました。

 もちろん、未熟な面があって冷や汗、脂汗というときもありますが、県民の立場から論戦をリードしてきたと思っています。

 ぼくは県政メールを発信して、環境保護の運動家や学者の意見を聞き、質問をつくりあげていく。それを論文にまとめるという作業をこころがけてきました。

いっちょうやったろか

 五島 みなさん、そもそも立候補されたきっかけは?

 きしの 幕末の百姓一揆に関心があって、歴史の研究をこころざしていました。子育てを10年ぐらいして、また研究にもどろうと思っていましたが、世の中の動きが面白くて、遠回りしているうちに議員になってしまって。(笑い)

 学生のときから研究と世の中を変えることは、自分の中では一体でした。いろんな経験を積むほど、現実への興味がつよくなったんです。

 林 日本共産党への信頼の結果として、立候補をといわれたら、引けません。いっちょうやったろかと。(笑い)

 ぼくも大学の専攻は日本史でしたが、歴史研究とはおさらばしました。ただ、名古屋南部に生まれ育って、伊勢湾台風や公害を経験しました。28歳のときに安藤巌衆院議員の秘書になって、天白川の改修、大気汚染や新幹線の公害問題にとりくんできました。こんどは県政の場でくらしと環境を重視する政治を実現したいと思いました。

 五島 私もあこがれてはいるんですよ、議員に。

 きしの いつでもどうぞ。(笑い)

 五島 でも、年齢が足りないんです。

 きしの すぐ被選挙権を持つようになるから。

 林 定数107で、きしのさんは愛知県議会史上初めての女性団長なんです。この間、広島県議会に調査にいったら女性議員はひとりもいない。オール男、こんな世界でいいのかと思いましたね。

 堀 若いころは医者と政治家にだけはなるまいというのが信条だったんですが。(笑い) 実家が北海道で父親が医者なんで。県政にかかわるきっかけは知事選にひっぱりだされたことです。

 五島 えっ、知事候補だったんですか。

 堀 91年の知事選で候補者を発表する県民総決起集会の2日前でした。立ってしまったことが運のつき。だれが驚いたかといって、自分をふくめてひっくりかえりました。

 五島 へえー、知りませんでした。

 堀 千種区というのは、かつては小島泰夫県議(故人)、阪本貞一市議がいて、革新共同の田中美智子衆院議員を出した、いわば革新のしにせの区なんです。

 そこに県会も市議会も議席がないという状況のもとで、県会はぼく、市会は黒田二郎の「ワンツーコンビ」で語呂もいいからこれで行こうと。(笑い)

 土壇場に立候補を決めて、歴史を切り開いてきた区で議席を奪還できたのは非常に感動的でした。

 最近、千種区を回って驚いたのは「黒田一(くろだはじめ)」という人が住んでいることがわかって。(笑い) 是非会いたくて、この間訪ねたら亡くなられていたのが残念でした。

青年の中で心配の声が

 五島 青年の中で愛知ってけっこう借金があって、このまま万博、空港をやっていけば破たんするのではという心配の声が聞かれます。これからの愛知はだいじょうぶでしょうか。

 林 県の借金は一般会計だけで県民一人あたり47万8千円です。借金財政を加速させているのが万博・空港関連事業です。2大事業が05年でかたがついて借金が減るのかというと逆です。08年には52万1千円に増える。

 万博、空港で愛知県がうるおって県民福祉がよくなるどころか、逆に借金漬けです。そのあおりで県民福祉がさらに切り下げられる。日本共産党をのぞく「オール与党」は知事のお尻をたたいているわけです。

 堀 神田知事は鳴り物入りで健全財政を公約にしたのに、逆に8千億円も借金を増やしました。それだけでも辞めてもらわなければならない。まったくの無責任知事です。自民党では神田知事を国政に回そうという動きがあったといわれるくらい与党にも信頼されていません。

シンプルに党を語って

 五島 青年学生のなかでも万博・空港より教育やほかのところにお金を使ってほしいという声が出てきています。最後に、こうなれば面白くなるという、ことしの夢をひとことずつ。

 林 知事選では無党派のみなさんと幅広く共同して池住義憲知事を誕生させ、県政の流れを変えていきたい。県議選では8つの常任委員会のすべてに日本共産党が進出できるように、目標は8以上の議席をとることです。それには、まず自分の選挙に勝つことです。

 「汗して前進」「明日の天気は変えられないが明日の政治は変えられる」を信条にがんばります。

 堀 まず万博は中止。池住知事と躍進した共産党県議団といっしょになって県政の大転換をしとげたい。

 ぼくは「若い人といっしょに」がモットー。世界中から若者ががんがんくる愛知にしたい。スケボー世界大会が千種区で開催される夢をみています。

 千種の共産党青年支部には3人の視力障害者がいて、バリアフリー化をすすめようと民青同盟といっしょに街づくり点検運動をやっています。そういう青年の姿をみながらがんばっているところです。

 個人的には、空から飛び降り、沖縄の海にもぐる。スノーボードもやりたい。当選してからの話ですが。

 きしの まず私が勝たないといけない。もともと「女性パワーで人情味あふれる県政を」が私のスローガンです。「女性の1票が政治を確実に変える。本物の政党は日本共産党」といろんな角度から、シンプルに語っていきたい。

 五島 多くの県民を味方につけることのできる議員団だなあと思いました。大きな議員団にするために私もがんばります。

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