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【05.10.09】ポスト万博 県財政 空前の借金漬け 
リニモ 昼間ガラガラ 期待の学生利用 低調

10月9日「愛知民報」

 9月27日開会した愛知県議会9月定例会で、神田真秋知事は愛知万博後の県財政について「来年度も収支で多額の不足が見込まれ、今後も厳しい財政が続く」と説明しました。

基金は底をつく
 愛知県は愛知万博や中部空港のために多額の県債(借金)をおこない、県債残高は今年度3兆7701億円(一般会計分)と過去最高なりました。このため借金返済にあてる公債費は県歳出の10.8%も占めるまでになりました。
 今年2月発表の財政中期試算によれば県債残高は増えつづけ2010年には4兆330億円に達する見込みです。
 他方1992年に2828億円あった基金はほとんど底をつく状態です。

リニモの採算は?
 愛知万博後利用者が激減したリニモ(東部丘陵線)の採算問題も重大になっています。
 リニモを運営する愛知高速交通株式会社には愛知県と5市町が51.85%(37億円)を出資しています。県によれば万博後の目標乗客数は1日3万1500人に対し、9月27日から30日の乗客数は毎日1万数千人と目標の半分以下です。県や会社は沿線の大学生を中心に乗客増をはかるとしていますが、採算が取れるのか危ぶまれています。

平日の昼間はガラガラ
 記者は4日午前にリニモの近況を取材しました。午前10時過ぎまでは藤が丘駅を発車する3両編成(定員360人)の車内は通学の学生で満席。しかし、午前10時を過ぎると空席が目立ちはじめます。
 午前11時過ぎに記者が乗ったリニモの3両目の乗客は20人ほど。途中で次々と下車し、終点の万博八草駅で下車したのは全車両で10数人。
 正午前に万博八草駅から藤が丘駅行きに乗車しました。先頭車両の乗客は私を含めて2人。公園西駅から長久手古戦場駅間は私だけの乗車でした。平日の昼間はガラガラ。採算が本当に心配になります。
 愛知学院大の学生は「リニモだと長久手古戦場駅でバスに乗り換えるか20分歩かなければならない。藤が丘駅発のバスは学校直行なのでリニモには乗らない」といいます。名古屋商科大学の学生は「守山区から名鉄、地下鉄、バスを乗り継いで通学している。学校はリニモ利用をといっているが、リニモを利用すると4回も面倒な乗り換えになるのでいやだ」と話します。愛知工業大学の学生は「リニモに乗るのはしかたがないけれど、夏や春休みは利用しないので長期定期でなく短期定期を購入した。割引率の関係もあるけれど1月平均だと短期定期の方がトク」といいます。
 学生の利用増大もなかなか大変なようです。

 

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