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【04.08.08】愛知のダム問題 徳山ダム 数字合わせで計画維持
前愛知県議 林のぶとし

8月8日「愛知民報」

◆計画破たん

 長良川河口ぜきに加え、現在、水資源機構が木曽三川のひとつ揖斐川に建設中の徳山ダムは、日本最大の総貯水量6億6千万トンという巨大ダムです。

 徳山ダム建設の利水面の根拠となってきた木曽川水系水資源開発基本計画(フルプラン)の2000年度都市用水(水道用水・工業用水)需要想定毎秒94.34トンにたいし実績は59.88トンにとどまっています。

 このため、徳山ダムで確保していた利水量について、愛知県は4トンを2.3トン、岐阜県は5トンを2.6トン、名古屋市は3トンを1.7トンに減量しました。電源開発は発電規模を大幅に縮小しました。利水でも発電でも当初計画は破たんしています。

 にもかかわらず、国土交通省と同機構は、事業費2540億円を3500億円に増額変更し、利水減量分を治水などに振り替えて計画規模の維持をはかりました。

 これにたいし長野県の田中知事は「中止をふくむ抜本的再検討をおこなうべき」との意見書を国に提出しました。愛知県などは総事業費と各負担金の増額を受け入れました。

徳山ダムの事業費負担額(単位・億円)

 
従来計画
新計画
増額分
総事業費
2,540
3,500
960

1,089
1,733
644
愛知県
208
257
49
岐阜県
518
713
195
三重県
62
101
39
名古屋市
186
206
20
電源開発
478
490

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◆収支見通し示せ

 前号で、愛知県が長良川河口ぜきの未利用工業用水を水道用水に転用することで水道用水事業の同河口ぜきの建設費負担金が増大することを書きました。そのうえに、徳山ダムが2007年度に完成すれば、ばく大な建設費が加わります。

 長良川河口ぜきの転用水も徳山ダムの水も使うアテはありません。県は、ダム建設費が水道用水と工業用水の事業会計にどのような影響をおよぼすのか、収支見通しを県民に示す責任があります。

 

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