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客が…来ない 営業再開も「このままでは閉店」国・自治体 もっと支援を

店を再開したが閑散とした大須商店街=24日、名古屋市中区

 「営業再開したが客が来ない」、「家賃代など固定費補助を」―。名古屋市内最大の商店街である大須商店街(約1200店舗)では、新型コロナ感染対策をしつつ営業を再開したものの、客足は戻らず、店主から悲鳴があがっています。

 愛知県では、政府が14日に緊急事態宣言を解除しましたが、県が独自に緊急事態宣言を今月末まで継続。一方で県は19日に「3密」のおそれが高いとされるキャバレーやライブハウスなどを除き、多くの業種の休業要請を解除しました。

 休業要請の解除後、初の日曜日(24日)。多くの店が営業を再開していましたが、閉まったシャッターに「しばらく休業します」や「テナント募集中」と貼っている店も見かけます。コロナ前の日曜日なら、外国人観光客や若者で溢れている商店街ですが、同じ日曜日とは思えないほど閑散としていました。

 「完全閉店。50%オフ」と書いた看板を掲げた靴店店主は「春先は学生の運動靴や新入社員の革靴が売れ筋。学校は休校、会社はテレワークで登校や出勤しないので全く売れない。従業員の給与支払いも厳しいので借金を作る前に店を閉める」。麺類店のおかみは「商店街の人出は昨年の半分以下の感じ。連休明けに店を再開したが少ない人を店どうしが奪い合っている状況」と話します。

 割烹料理店の主人は「緊密を避けるため20席を10席に減らした。これまでも昼のランチなど満席で採算はトントンだった。それが席を半分にしたので赤字は確実。値段を上げると客はこないし。休業協力金50万円もまだ届かないが、それだけでは不足。長く営業を続けたいので、国や自治体はもっと支援をしてほしい」。アンティーク雑貨屋の店主は「昨年までは日本人と外国人の客が半々。今は日本人客も少ないが、渡航制限で外国人客は全く来ない。家賃や光熱費の支払いに苦慮している。今のままだと閉店も時間の問題。国や行政は見捨てないでほしい」と語りました。

 寿司屋の主人は「店を開いても客は少ない。特に夜の飲酒客が来ない。家賃代くらい稼ごうとテイクアウトもしているが焼け石に水。家賃代など固定費の補助をやってほしい」と訴えました。

(5月26日 しんぶん赤旗)