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補助金不交付は不当 芸術祭 愛知県が不服申し立て

 文化庁が国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」に対する補助金不交付を決めたことに対し、愛知県は24日、補助金適正化法に基づく不服申立書を同庁に提出しました。県は「処分の具体的な理由が示されておらず、審査対象でない事項を後付けで問題とするなど違法、不当だ」と主張しています。

 芸術祭では、慰安婦を象徴する少女像などが展示された企画展「表現の不自由展・その後」が一時中止となりました。文化庁は9月、「円滑な運営を脅かす重大な事実を認識しながら、申告しなかった」として、手続き不備を理由に補助金約7800万円の全額不交付を決めました。

 県は、申し立てとは別に不交付決定の取り消しを求め国を提訴する方針です。

■ 補助金交付もとめ文団連が声明

 文化団体連絡協議会(文団連)は23日、文化庁が「あいちトリエンナーレ2019」への補助金不交付を決めたことについて、交付を求める声明を発表しました。

 声明は、補助金の採択後に全額不交付を決定した前例がないこと、外部審査員の意見聴取を行わず文化庁内のみで審査し、審議の議事録もないことなど、補助金不交付決定が不当であるという理由を示し批判しています。

 芸術が批判的精神を持つことは当然であり、「表現の自由は知る権利ともつながり日本国憲法の三大原理の一つである基本的人権の構成要素でもある」と指摘。「戦後培われてきた表現の自由と民主主義を守るためにも私たちはさらに奮闘する」と表明しています。

(10月26日 しんぶん赤旗)