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過労死 防止策早く 名古屋で厚労省がシンポジウム 遺族ら訴え

過労死やパワハラなど再発防止を訴える過労死遺族(中央)=20日、名古屋市中村区

 過労死やパワハラなどの働き方、働かせ方が深刻な社会問題になるなか、名古屋市中村区の国際センターで「過労死等防止対策推進シンポジウム」が20日開かれ、過労死遺族らが再発防止を訴えました。

 厚生労働省の主催で、企業の人事立とう者や労働組合役員など220人が参加しました。

 「名古屋過労死を考える家族の会」の内野博子代表は、トヨタ自動車で働いていた夫が夜勤明けに突然倒れ、2002年に急死し、月144時間の残業をしていたにもかかわらず、労災認定されるまで6年かかったことなどを報告。「過労死はなくなるどころか、若い社員がパワハラなどを受け、うつによる過労自死が増えている」と述べ、働き方改革関連法、高度プロフェッショナル制度について「過労死防止法に反し、過労死を合法化するもの。社員が働きやすい環境をつくってほしい」と話しました。

 中部電力に入社し7カ月で自殺した鈴木洋介さん(当時26歳)の母親、吉田典子さんは、自殺したのは過大業務とパワハラが原因だと訴えました。労災による死亡と認めなかった労働基準監督署の処分取り消しを求めて昨年6月に名古屋地裁に提訴したことを報告し、「新入社員である息子に何が起きたのかはっきりさせたい。息子のような若者を出さない労働環境をつくっていきたい」と語りました。

 愛知働くもののいのちと健康を守るセンター理事長の猿田正機・中京大学名誉教授がスウェーデンの労働時間規制例を紹介。大和ハウス工業の人事部長が労働時間短縮について語りました。

(11月23日 しんぶん赤旗)