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軍用機展示飛行やめて 住民ら、小牧基地に要請

 航空自衛隊小牧基地に対し、愛知県平和委員会と地元平和団体の代表は2月27日、航空祭(3日)におけるプルーインパルスと軍用機の展示飛行を中止するよう求めました。基地周辺住民ら9人が参加しました。

 小牧基地では2015年以来、3年間、周辺自治体や住民の反対の声を押し切り、宮城県松島基地所属のアクロバット飛行隊「ブルーインパルス」の展示飛行が強行されてきました。航空法91条では、国土交通大臣の許可なしには人口密集地上空での「曲芸飛行」を禁止しています。

 1月26日には、周辺住民388人が、昨年の航空祭で大臣の許可がないまま「曲芸飛行」が行われたとして、前基地司令らを刑事告発しました。

 こうした中で小牧基地は、ホームページ上に今年の航空祭では「ブルーインパルスの展示は行わない」と発表しました。

 毎年、航空祭当日に基地門前で抗議行動をおこなってきた春日井平和委員会の西岡久男さんは「われわれや周辺地自体の要請をさんざん無視して、展示飛行を続けてきた。なぜ今回、突然中止を発表したのか、理由を明らかにすべきだ」と求めました。

 小牧基地担当者は「防衛省から、総合的に勘案し判断した結果、中止すると知らされただけ。詳細はわからない」と回答しました。

 小牧平和委員会の福本英雄事務局長は、航空祭を前に、C130H輸送機やUH60減りなどの旋回飛行や訓練が激化し、騒音被害が住民から寄せられていると指摘。「ブルーインパルスだけでなく、すべての軍用機による展示飛行は中止すべきだ。人口密集地で事故が起きれば、被害を受けるのは住民だ。自衛隊の広報活動のために、住民の命と暮らしを脅かす危険な飛行はやめてほしい」。基地近くに住む女性は「輸送機6機が編隊飛行していた。ごう音、爆音とともにすごい威圧感」と話しました。

 要請は、2月2日に起きたKC130H輸送機のオーバーランについても、原因と再発防止策、地自体・住民への説明会などを求めました。

 県平和委員会の矢野創事務局長は、「小牧基地所属気は2010年以降、事故・トラブルが23件と多発している。いつ墜落事故が起きるか、危機感と危険性を強く感じている。重大事故を起こす前に状況を改めてほしい」と訴えました。

(3月2日 しんぶん赤旗)