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最低賃金の生活を体験 100人が挑戦 愛労連が交流会開く

 「このままでいいのか?今こそ最賃で声あげよまい!」。愛知県労働組合総連合(愛労連)は1月30日夜、最低賃金生活体験(2月1日~28日)のチャレンジャーを激励するスタート学習交流会を名古屋市内で開きました。

 愛知県の最低賃金は昨年10月に26円引き上げられ、871円になりました。愛労連事務局の龍尾由美子さんは「この最賃では、自立してまともに暮らすには、あまりに低すぎることは明らかですが、それを生活体験で実感し、大幅賃上げを求める根拠に確信をもつことが目的です」と指摘。「今年も100人以上が挑戦します。最低額を決定する審議会の答申は夏以降になります。最賃体験だけで終わらせず、賃上げ運動にも加わってください」と呼びかけました。

 最賃871円で、1日8時間・22日間労働と仮定し月額15万3296円。そこから、保険料・税金などを差し引いた12万4919円で、家賃などを含めて1カ月生活します。

 体験者は毎日細かく家計簿をつけます。主食・副食の内容から始まり、果物やお菓子、ドリンク、給食・外食、水光熱費、医療費、交通費、交際費などを記入します。その結果が「愛知最低賃金審議会」に提出されます。

 自治労連県本部の平野正一書記次長が講演しました。「欧米各国の時給が千円以上、オーストラリアは1500円を超えている。先進国で日本の賃金だけが低迷している」と強調。「可処分所得を増やし、個人消費を増やさなければ、経済が縮小する一方だ。アベノミクスの量的緩和政策が行き詰まれば、経済が崩壊する」と述べ、「安倍首相が賃上げを口にしなければいけないほどの経済実態と、人気維持の施策をとらなければいけない今こそ、大幅な賃上げを勝ち取るチャンスだ」と話しました。

 挑戦者と体験者らが交流し、不安やアドバイスが語られました。初挑戦の女性(27)は「始める前から生活できるのか不安。普段の生活から何を削ればいいのか。お金の使いかたを見直すきっかけになる」と語りました。経験者からも「家計簿をつけるのが一番大変だけど、何にお金を使ったのか見えて、普段の生活にもいきてくる」と語りました。「根拠のある最賃をつくる力にしたい」、「SNSで発信していきたい」などの声もありました。

(2月2日 しんぶん赤旗)