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知多にカジノいらない 集会・署名、運動広がる

 「ギャンブル依存症を増やす賭博場はいらない」、「地域振興に役立たないカジノは認められない」―。愛知県がカジノ施設を誘致しようとしている常滑(とこなめ)市で17日、日本共産党が開いた「知多半島にカジノ(賭博場)はいらない集会」に住民ら80人がつめかけ、反対や怒りの声が次々と上がりました。

 愛知県は今年8月に研究会を立ち上げ、中部国際空港島(常滑市)周辺でカジノを中核とする統合型リゾート施設(IR)の検討を進めています。

ネットを結成

 常滑市の住民はカジノ誘致を止めようと9月、「カジノはいらん!ネットワーク・常滑」を結成。大村秀章知事への反対署名など運動を広げています。

 集会では、国会でカジノの問題を鋭く追及してきた日本共産党前衆院議員の清水忠史さんが講演しました。ユーモアたっぷりに「カジノが成長戦略というのは欺瞞です。JRに愛はありません」と」語ると会場は大爆笑。訪日外国人が何を期待して来るのか、調査データーを示し、「いちばん多いのは日本食を食べること。そして自然・景勝地の観光、ショッピングと続き、賭博したいはありません」と述べ、観光振興にも経済成長にもつながらないことを力説しました。「ギャンブル依存症は脳の病気です。自分では制御できません。治療しなければなりませんが、その特効薬はありません」と指摘し、「これ以上国民を不幸にしていいんですか」と強調。今月6日に日本共産党など野党4党がカジノ解禁推進法廃止法案を衆院に共同提出したことを紹介し、「世論調査で6割以上の国民が反対している。住民の運動を広げカジノ誘致を阻止しよう」と訴え、大きな拍手に包まれました。

党議員が視察

 下奥奈歩県議は、9月に党国会議員団とIR予定地を視察し、県議会で「県の進め方は拙速、無責任だ。カジノはギャンブル依存症問題や地域経済に疲弊を引き起こし、次世代に禍根を残す」と追及したことを紹介しました。

 西本真樹常滑市議は常滑商工会議所が中心になって誘致運動をしていることを批判。「地域活性化はカジノでなく、自然豊かな知多半島の観光推進や常滑焼など地場産業振興こそ必要。地元から県に反対の声をあげよう」と述べました。

 参加者からは「諸外国の状況を聞き、地元にとって、犯罪が増え、経済的に何もメリットはないと思う」、アルコール依存症対策に関わっている人からは「アルコールを断ち切るのは困難。ギャンブル依存症も根絶するのに苦労する。酒代と違ってカジノの掛け金はケタちがいだ」、反対運動に取り組んでいる住民からは「子どもにも悪影響があるのでPTAにも声をかけた。年金者が賭博に巻き込まれないよう老人会などにも協力を求めてききたい」の意見が出されました。

 参加した人からは「カジノが出来ても人は空港周辺に集まり、市街に人は集まらない。ますます地場産業が衰退してしまう」、「常滑市だけでなく知多半島全域に関わる問題。知多の各地域でも、説明会、勉強会、反対署名をやろう」などの声が寄せられました。

(12月23日 しんぶん赤旗)