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天守閣木造化に批判続々 名古屋城復元 党市議団がシンポ

 日本共産党名古屋市議団が16日、名古屋市内でシンポジウム「2022年名古屋城天守閣木造化~まだ止められる」を開き、市民ら60人が参加しました。木造化を急ぐ市に対し疑問や批判の声が相次ぎました。

 河村たかし市長は、名古屋城天守閣木造化を22年12月に完成させるとして、来年5月にも天守閣への入場を禁止し、来年11月にも現天守閣の解体議案を提出しようとしています。

 元大阪城天守閣館長の渡辺武氏が講演し、1933年に鉄骨鉄筋コンクリート造りで再建した大阪城の「平成の大改修」(1997年)について報告。「改修で耐震補強、屋根改修、外壁・軒天井コンクリートのアルカリ化回復工事などおこない、あと100年は大丈夫。名古屋城天守閣も木造化を急ぐより現状改善をすべきだ」と強調しました。

 元NHK解説委員の毛利和雄氏は、全国に50近くある戦後造られた鉄骨鉄筋コンクリート天守の状況を述べ、「名古屋城天守閣を木造化しても、江戸時代建設の姫路城、犬山城と違ってレプリカにすぎない」と指摘。1級建築士の滝井幹夫氏は「木造復元は建築法、消防法、バリアフリー法などに違反する」。日本共産党の江上博之市議は「550億円の建設費に税金投入となれば市民サービスが削減される。市民合意のない木造化は認められない」と述べました。

 参加した市民からは「木造化より、北西隅櫓や二の丸など名古屋城跡全体の復元をやるべきだ」、「姫路城など本物が見たいから観光客が来る。展示施設のない模造の城に客は来ない。入場料収入と寄付で建設費を賄うなど無理」、「市民の暮らしが厳しいなか、市民生活優先の市政にすべきで、木造化は急ぐべきではない」などの意見がだされました。

(12月19日 しんぶん赤旗)