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公害 繰り返さぬために 愛知の住民団体など交流

 愛知県内の公害・環境にかかわる住民団体、労組など50ほどの団体と個人で組織される「健康と環境を守れ!愛知の住民いっせい行動実行委員会は23日、名古屋市中区で「決起と交流の集会&出版を祝う会」を開き、各団体のメンバーら53人が参加しました。毎年実施している団体同士の交流、励まし合う総会とともに、今年は結成40年を機にまとめられた記念誌『焔の群像Ⅱ』の発行を祝いました。

行政と毎年懇談

 野呂汎(ひろし)会長は「毎年、行政と懇談を続け、三河湾の干潟保全や産廃処理施設の操業中止、都市計画道路事業の廃止・見直しなどを勝ち取ってきた。リニアや設楽ダムなどまだまだ問題は多い。しっかりと取り組んでいきたい」と話しました。

 「公害を繰り返さないために―四日市の経験から何を学ぶか」をテーマに、粟屋かよ子・元四日市大学教授が講演しました。粟屋氏は「四日市ぜんそくは、まだ終わっていない。公害患者の新規認定をやめるなど、行政がふたをしようとしているが、今もぜんそくの子どもは増え続けている」と指摘・市民参加を広げようとミュージカル劇に取り組んだことなどを紹介し、「公害を知らない世代や自分達も楽しみながら、仲間を増やしたい。公害の歴史を繰り返さないためには、まず触れることから。多くの人を巻き込んでいこう」と語りました。

 市民団体代表が活動報告し、設楽ダムの建設中止を求める会は「本体工事はまだ始まっておらず、水道用水確保の根拠は崩れている。住民訴訟で中止をさらに求めていく」。リニアを考える愛知連絡会は「行政はJRに対し、任せきりでモノも言わない。亜炭鉱や深夜工事の問題を訴えていきたい。裁判が公正に行われるよう署名に協力を」。瑞穂図書館を考える会は「アジア競技大会のメーン会場が名古屋市瑞穂区になったが、公園や道路など周辺整備計画が民間任せになっており、計画の発表まで市民に知らされない懸念がある。注意してみていきたい」と述べました。

40周年の記念誌

 大羽康利事務局長は、結成40周年にあわせて『焔の群像Ⅱ』を1日に発行したことを報告し、「県知事や市長と環境問題について年1回懇談する『愛知方式』や結成40周年の歴史を広げたい」と述べました。集会後、発行を記念し、祝う会が行われました。

 記念誌についての問い合わせは、愛知県保険医協会(事務局)052(832)1345。

(11月25日 しんぶん赤旗)