ニュース

第48回総選挙の結果について

第48回総選挙の結果について

2017年10月24日 日本共産党愛知県常任委員会


(1)

 10月22日投開票の第48回総選挙で、日本共産党は、小選挙区では、沖縄1区で赤嶺政賢候補の当選をかちとり、「オール沖縄」の議席を守りました。比例代表選挙では、前回獲得した20議席(606万票、11・37%)から、11議席(440万票、7・91%)への後退となりました。

 一方、市民とともに共闘した立憲民主党は改選議席を3倍以上に伸ばす54議席、社民党は2議席を獲得し、野党共闘が確かな成果をあげました。野党共闘に分断と逆流を持ち込み、自民、公明は議席の3分の2を占めましたが、自民党が得た比例票は33%(有権者比17・3%)すぎず、全議席の61%の議席を得たのは、大政党有利に民意を歪める小選挙区制による「虚構の多数」にすぎません。

 比例東海ブロックでは、もとむら伸子氏が当選をかちとりました。しかし、目標とした「現有2議席を確保し、3議席以上」とはならず、前回より1議席減としました。小選挙区では、党候補は議席には及びませんでしたが、野党の統一候補として、立憲民主党の3区の近藤昭一氏、5区の赤松広隆氏が議席を獲得し、1区の吉田つねひこ氏も比例で当選し、立憲民主党は比例で4議席を確保しました。比例では、自民党は改選議席と同数の8議席でしたが、公明党は比例で1議席減の2議席、維新の会は2議席減の1議席となりました。希望は新たに5議席を確保しました。

 日本共産党の愛知県での比例票は、21万8809票(得票率6・71%)を獲得し、前回総選挙の比例票に対し、得票率を3・16ポイント減らし、得票も8万9291票減らしました。小選挙区選挙では、24万1466票を獲得し、前回総選挙に対し、比較できる11小選挙区では、ほぼ同数となり、7選挙区で前回選挙を上回っています。

 日本共産党と候補者に一票を寄せられたすべての有権者に心からお礼を申し上げます。また、風雨の中、昼夜分かたず奮闘された、すべての支持者のみなさん、応援してくださった無党派の市民のみなさん、「しんぶん赤旗」読者、後援会員、党員のみなさんに心からの敬意と感謝を申し上げます。

 今回の総選挙で、日本共産党が議席を減らしたことは、たいへんに残念な結果であり、力不足を痛感しています。同時に、市民と野党の共闘は、先の参院選を超えた大きな発展がありました。

 個別の候補者ではなく「比例は共産党」という一致点が市民に広がり、比例で日本共産党の支持を広げるための市民との共同の会議や独自の宣伝、新社会党や緑の党などの他党派や市民連合に参加しているママの会、大学生などのメンバー、無党派の女性や青年などが屋内・屋外の日本共産党の演説会に応援弁士として参加し、党のセンターで積極的に支持を広げる電話がけを行いました。

 自公とその補完勢力を少数に追い込むことはできませんでしたが、衆院選での初の挑戦であり、多くの「共闘の絆」「連帯の絆」という「財産」を生み出し、未来に生きる貴重な1歩をつくったと思います。今後の国政選挙で、さらに市民と野党の共闘を大きく発展させ、自公とその補完勢力を少数に追い込むため全力をあげる決意です。

(2)

 今回の総選挙は、憲法破壊、国政私物化、民意無視の安倍政権が、「森友・加計疑惑」隠しと政権延命を狙って、臨時国会を冒頭解散し、小池都知事によって、自公の新たな補完勢力である「希望の党」の創立と、民進党の合流という共闘つぶしの逆流が生まれる大激動の情勢のもとで行われました。

 日本共産党は、共闘の大義を高く掲げ、立憲民主党がつくられる中、市民と野党の共闘の流れを再構築して、全国で67の小選挙区、愛知では、1区と5区で日本共産党の候補者をおろし、愛知では15選挙区中、13の選挙区で野党共闘の候補者を一本化してたたかいました。マスコミは選挙戦を3極の対決構図とえがきましたが、「自民、公明とその補完勢力」対「市民と3野党の共闘」という2極対決こそが選挙の真の対決構図でした。筋を通し、ブレずに共闘を貫く日本共産党への注目と支持が広がり、選挙最終盤に向けて、保守層や無党派層をはじめ、これまでになく広範な方々から「比例は日本共産党」との声がわきおこりました。

 自公とその補完勢力の幹部が繰り返し来県し、必死の訴えをする中、日本共産党は、志位委員長、小池書記局長、市田副委員長が来県し、幹部・候補者を先頭に、市民と3野党の共闘で、安倍暴走政治にストップを、共闘の要である日本共産党の躍進を、と訴え抜きました。どの街頭演説も多くの聴衆があつまり、日本共産党への新たな共感と期待の高さを示しました。

 政治論戦では、安倍暴走政治に退場の審判を下し、日本の政治を国民の手に取り戻そうと、外交、経済、原発、憲法、核兵器の5つの柱で日本改革のビジョンと、日本共産党への1票の値打ちを訴えぬきました。また、ネット選挙も、先の参院選以上に、様々な動画の発信、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の活用に創意工夫をこらし、新しい層への支持の広がりをつくりました。

(3)

 今回の選挙は、解散から総選挙の投票まで1カ月と短期間しかなく、マスコミなどで、選挙戦の真の対決構図が伝えられない中、選挙戦最終盤まで4割の方が投票先を決めていないなど、多くの有権者が投票先を迷い、模索していました。

 それだけに、多くの有権者に、2極対決という選挙戦の真の対決構図と市民と野党の共闘を貫く、ブレない政党の日本共産党の対案、値打ちを、一刻も早く届け、対話と支持を広げる活動が必要でした。党の訴えが届いた街頭での反応や、対話での支持の広がりが高かっただけに、比例代表で全国850万票にふさわしく愛知で43万票の得票目標をやりあげるにふさわしい宣伝と対話・支持拡大が求められましたが、必要なテンポ・規模を確保できませんでした。

 この根底には、得票目標をやりきる構えと公示までにやりぬく取り組みをはじめ党の自力の不足の問題があります。対話・支持拡大は、4年前の衆院選の到達とほぼ同じであり、得票目標を実現する規模には大きく及びませんでした。この間一貫して、党の自力を強めることに努めてきましたが、残念ながら、3年前の総選挙時と比べて、党員も、「しんぶん赤旗」読者も、後退させたままで、選挙をたたかいました。今後いっそう「支部を主役」にして党の自力を強める活動に全力をあげる決意です。今回の選挙結果について、党内外の意見を組みつくし、次の中央委員会、県委員会で選挙の教訓を明らかにし、今後の活動に生かすようにしていきます。

(4)

 残念ながら、自公とその補完勢力が国会の多数を占め、憲法破壊、国政私物化、民意無視の暴走政治をいっそうすすめようとするでしょうが、国民との矛盾はいっそう増し、日本共産党の役割が今まで以上に重要となってきます。

 日本共産党は、新しい国会で、総選挙で獲得した議席を力に、市民と野党の共闘をいっそう前進させ、憲法9条改悪、消費税増税など安倍暴走政治にストップをかけ、日本の政治を変えるため、選挙中に訴えた公約実践に全力をあげます。

 日本共産党は総選挙の結果を踏まえ、すやま参院愛知選挙区予定候補や県議、名古屋市議など地方議員を先頭に、再来年に予定されている、統一地方選、参院選で大きく躍進するため、中央委員会常任幹部会が提起した二つの活動、共産党をまるごと支持してもらえる方を広げていく活動と強く大きな党をつくり、自力を強める活動に全力をあげる決意です。