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共同の歩み 衆院議員・比例東海ブロック 本村伸子さん(下)

 
 本村伸子衆院議員が大事にしている言葉は「人間の尊厳」です。
 リニア計画、戦争法強行、原発再稼働…人びとの生活や尊厳をふみにじる自民党政治をみるにつけ、「一人ひとりが差別を受けず、ありのまま大切にされる。そんな当たり前のことが日本社会では実現できていない」と痛感しています。
 「人間の尊厳が大事にされるような社会を実現したい」。初めて国政選挙に立候補した2005年から政治信条としてずっと掲げ続けてきました。

■ 先生の言葉から
 この言葉と出あったのは、京都の大学で古代史を学んでいた学生時代。近現代史の授業を受けたときのことでした。戦争の歴史を学びたいと受けた講義でしたが、先生は1年かけて「人間の尊厳がいかに大事か」と生徒に語りかけました。
 あるときその先生が「ぼくは共産党ではないけれど、人間の尊厳を本当に保障しようと思ったら、共産主義にいくしかないと思うよ」と話しました。
 本村さんは、「近現代史を学び、人びとの長年のたたかいが、保障される人権の幅を広げてきたと実感しました。大事なことを教えてもらいました。人間の尊厳を実現したいということが、共産党に入党した思いともつながっています」と振り返ります。
 その思いは国会議員としての論戦にも貫かれています。

■ 大臣動かす質問
 特別支援学校の問題を国会で取り上げたときは、校舎の老朽化や学校・教室不足など生徒の尊厳が大事にされていない差別的な現状を告発しました。この質問を受け、学校側が求めていた馳浩文部科学相(当時)の現地視察が実現。本村さんと一緒に現地を見た馳文科相は「現場の声に応えるようにしたい。特に空調設備は、予算措置も取って直ちに改善したい」と環境改善の意向を示しました。
 国土交通委員会ではバス運転手の過労死やトラック労働者の労働条件など働く人の尊厳を守る立場から追及。静岡県のタクシー会社が労働者に通告なく全員解雇した事件については「法令に違反する乱暴な解雇であり、国交相として許してはいけない」と迫りました。解雇されたのは安全のために会社に対して積極的にものを言ってきた労働者でした。裁判をたたかってきた原告は涙を流しながら質問を傍聴していました。
 国会議員になって1年11カ月。今一番強く思うのは、「一刻も早く安倍政権を倒したいということです」。
 国会の数の力で強行が繰り返され、「何度も何度もくやしい思いをしてきた」と言います。
 一方、立憲主義や個人の尊厳を踏みにじる政治に市民が声をあげる戦後かつてないたたかいがうまれました。「ここに希望を感じます。希望の芽をどうしても花開かせたい」と語ります。
 「次の衆院選では、市民と野党の共闘をさらに発展させ、日本共産党を伸ばして改憲勢力3分の2体制をどうしても打ち破りたい。自民党政治に代わる新しい政権をつくれば、どんな希望が開かれるかとわくわくします。市民の声が届き、人間の尊厳が守られる政治を実現したい」。熱い思いを胸に国会内外を駆けめぐっています。(おわり)

(しんぶん赤旗)