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実態に沿う原爆症認定を 愛知訴訟が結審

 
 原爆症認定申請を却下され、国に却下処分の取り消しを求めた新しい原爆症認定訴訟(ノーモア・ヒバクシャ愛知訴訟)が3日、名古屋地方裁判所(市原義孝裁判長)で結審しました。判決は9月14日の予定。

 この日は病気療養中の山田初枝さん(84)を除く森敏夫さん(91)高井ツタヱさん(80)、川本信夫さん(84)の原告が意見陳述をおこないました。
 広島で被爆した森さんは「昨年10月、左目の白内障は原爆症と認定されたが、申請から10年以上かかった。同じ病気なのに右目の白内障は認定されない。被爆者に対する国の姿勢は納得できない」と強調。高井さんは「家族に被爆者であることを隠し続けてきたが、5年前に福島原発事故の光景をテレビで見て、長崎で見た光景と重なり、被爆者として何かしなければと思った」と話し、川本さんは「差別され職や住居を転々とした。被爆したことが私の人生を大きく変えた。国は放射能被害の恐ろしさを認めてほしい」と訴えました。

 口頭弁論後の報告集会には約100人の支援者が参加。弁護団の伊藤勤也弁護士は「国が原爆症認定を被爆の実態にそっておこなうよう、裁判所に公正な判決を要請する運動を広げよう」と訴えました。
(3月6日 しんぶん赤旗)