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導水路裁判 ムダ事業を止めず 名古屋高裁が不当判決

 
 広範な県民有志でつくる「導水路はいらない!愛知の会」が、徳山ダム(岐阜県揖斐川町)から木曽川に水を引く導水路事業は無駄だとして、県と県企業庁に公的資金支出差し止めを求めた控訴審の判決が17日、名古屋高裁でありました。

 木下秀樹裁判長は、需要が下回っていることを認めつつも「安全性のために余裕を持つことは許される」として原告側の請求を棄却しました。

 住民らは、水需要は減少し供給量は想定を下回っており不要だとして、事業費約890億円のうち県負担約318億円の支出差し止めを求めて2009年に提訴。名古屋地裁が昨年7月、原告の請求をしりぞけたために控訴していました。

 原告側は判決後に記者会見し、在間正史弁護団長は、住民が明らかにした事実から目を背けた不当判決だとし、「行政や地方裁判所をかばうもので高等裁判所の責務を放棄したもの」。同会の小林収共同代表は「地域の実情や時代の趨勢(すうせい)を顧みることなく、行政が策定した計画をうのみにして、真摯(しんし)に検討する姿勢を示さなかった司法は存在価値を失う」と強く批判し、同会は上告する方針を表明しました。

(9月19日 「しんぶん赤旗」東海・北陸信越のページより)