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日本福祉大九条の会が講演会

 

日本福祉大学九条の会は16日、愛知県美浜町の同大学キャンパスで福祉・人権講演会を開き、学生や教職員ら200人以上が参加しました。
 
同会は2005年4月に結成し今年で9年目。毎年、新入生歓迎期の春に平和や憲法問題の講演会、秋に大学祭企画として福祉や社会問題の講演会をおこなってきました。
 
開会あいさつに立った同会世話人の前原清隆大学教授は同会が12日、「秘密保護法案」に反対するアピールを発表したと報告し「『ふくし』の大前提は平和。法案は平和憲法改悪の先取りであり、日本国民と他国民の命、平和という、『ふくし』の大前提を危うくするもの。『ふくし』を学び研究するものとして法案阻止に取り組もう」と強調しました。
 
世話人の学生は「今回のテーマは『いじめ問題を考える』。参加者が憲法や福祉・人権を学び考える機会としてほしい」と話しました。
 
東京で中学校教員をし、現在は大学非常勤講師をしている宮下聡(さとし)さんが講演しました。
学校現場での、いじめ対応の実践や経験、問題点を生々しく報告し、「いじめと向き合うことが大切。簡単ではないが、いじめはなくせる。解決の主人公はこども本人。一人で苦しませることないよう支える人(サポーター)をつくるとこが大事」と強調しました。
 
講演後、学生から「今年9月に施行された、いじめ防止対策推進法は、いじめをなくすのに効果があるのか」などの質問が出されました。宮下さんは「いじめ防止対策推進法は十分な論議をせず拙速に成立した感じがする。多くの矛盾や問題点がある。日本弁護士会の『いじめ問題』のシンポジウムのパネリストとして出席したが、法の問題点を指摘する人が多かった」と答えました。
 
学生からは「講演で『いじめの要因に社会や経済が影響を与えている。この解決は容易ではない』の話が心に残った。貧困とか格差とかは個人の問題ではない。貧乏だからと、いじめられるのは理不尽。貧困や格差社会をなくすための運動をしたい」の感想が寄せられました。
 
講演に先立ち、参加者は同大学サークル夢人党(むじんとう)の踊りや付属高校太鼓部の勇壮な演奏を楽しみました。