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介護保険制度の改善を求め介護労働者が名古屋でつどい

 

怒りの声次々

「軽度介護者の切り捨ては許されない」「2倍の負担増は死活にかかわる」
 
政府がすすめる介護保険の利用者負担増、介護サービス低下について、愛知県内の介護労働者や介護サービス利用者から怒りの声があがっています。

愛知健社会保障推進協議会などでつくる実行委員会の主催により名古屋市熱田区で開かれた「介護労働者のつどい」(21日)には70人が参加しました。
 
介護保険制度は今年で13年たち、介護現場で働く人たちの処遇は改善されず、人手不足は深刻です。利用者や国民にとっては高い保険料・利用料を払いながら、必要な介護が受けられない状況が続いています。さらに政府は一定所得以上の人の利用料を1割から2割に倍増、軽度の要支援の人を介護保険の対象から外そうとしています。

小松民子愛知社保協事務局は、「このまま黙っていてはだめ。消費税増税で庶民から徴収した税金は『社会保障』でなく大企業支援策に使われる。消費税増税反対運動と一体になり共同の運動に取り組もう」と呼びかけました。
 
厚労省の諮問機関・社会保障審議会介護保険部会委員の勝田登志子氏 (「認知症の人と家族の会」副代表理事)が講演し、「『軽度』の切り捨ては絶対認められない。増税の一方で負担引き上げ、給付抑制は『国の公的』責任の放棄だ」と強調しました。 
 
会場からケアマネジャーが発言しました。国が『介護効率化』を名目に、軽度の『要支援』者サービスを市町村に移そうとしていると批判。「介護度は人によって様々に違っている。一人ひとりのケアプランが必要。ケアに効率化はそぐわない。市町村に移行すると、市町村の財政力でサービスに格差が生じる」と訴えました。デーサービス(通所介護)事業所職員は「介護保険制度発足時は小規模の事業所が大半だったが、最近は全国展開する大規模事業者が増えてきた。国の『効率化』『市場化』の方針を批判しました。
 
在宅サービスを担っているホームヘルパーは「介護職場で働く労働者の月収は平均21万円。ヘルパーは平均より低く、平均年齢は50歳を越えている。国は労働条件を改善するなど、若いヘルパー増員の対策こそ緊急にとるべきだ」と話しました。
 
介護サービス利用者の家族からは「軽度の認知症の母がグループホームに入所している。2005年の制度改悪で居住費(家賃・光熱費)が保険給付の対象外になり負担が増えた。今は月20万円近くかかり、母の年金だけでは賄えない。給付対象の拡大をしてほしい」「将来は介護付高齢者向け住宅の入居を考えている。よくマスコミで介護内容のひどい悪質業者のことが報道されている。悪質業者を締め出すため『サービス内容基準』を定めるなど規制が必要」どの要望が出されました。(9月27日)