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巨大地震どう備える 名古屋で震災フォーラム

 

 「阪神大震災、東日本大震災を私たちのまちで繰り返さないために」-。震災に対して強いまちづくりをめざす「第17回1・17震災フォーラム」が12日、名古屋市内で開かれました。愛知県内の労働組合や消防職員組織、公共事業や住宅関連組織、東海自治体問題研究所などによる実行委員会主催。60人が参加しました。

 今回のテーマは「東海地方に迫りくる巨大地震に備える~どこに住んでも安心のまちづくりをー地域が防災の最前線」。東濃地震科学研究所の木股文昭副首席主任研究員の講演や地域での防災対策、福島の被災者からの報告などを聞き、地域の防災について考え深めあいました。

木股氏は「3.11から私たちが学ぶこと~地域に根ざした防災をめざして」と題して講演。日本で発生した大震災の被害状況や救援・復興の取り組みを詳細に報告し、「国や地方自治体は過去の災害の教訓を汲み取り、住民の暮らしと命を守る責務がある」と強調しました。

 名古屋市中川区の「なかがわ災害ボランティアネットワーク」の風岡佑輔さんは、中川区内を歩いて回り危険個所をチェックする活動などを紹介しました。福島県富岡町から避難し、愛知県豊橋市に住む青木幸子さんは、「自宅は原発から6??にあり地震で半壊した。今も高濃度の放射能のため立ち入り禁止のため、自宅は壊れたまま放置している」と東日本大震災や原発事故の状況や避難生活について話しました。

 参加者から「国は南海トラフ巨大地震が発生すれば名古屋駅周辺が大被害を受けると予想しているが、地盤の弱い地域に巨大ビルの建設は問題」「清須市は2000年の東海豪雨の被害を受け、洪水マップを作成したが専門用語など多くて高齢者は理解できない。誰でもわかるものに改善してほしい」「各自治体が作成したハザードマップは不十分な点もあるが有効に活用すべきだ。避難所を事前に確認し災害に備えることが大切。近くの避難所は道路被害で行けない場合もあるので複数の避難所を知っておくことが大切」など防災について活発に話し合いました。(1月16日)