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夫の自殺 労災認定 ソフトバンク過労死裁判

 

 旧東海デジタルフォン(現ソフトバンクモバイル)で働いていた小出堯(たかし)さん=当時(56)=の自殺は過労による、うつ病が原因だとして、妻の典子さん(63)が国に労働災害認定を求めた裁判の判決が12月14日、名古屋地方裁判所(田近年則裁判長)であり過労による自殺と認め労働災害と認定しました。

 堯さんは足に障害をもち、仕事が原因でうつ病を発症したにもかかわらず、2002年に遠隔地に強制配転され、勤務してわずか5日後に自殺に追い込まれました。典子さんは名古屋西労働基準監督署に労災認定を申請しましたが、不支給処分となったため、09年11月、処分の取り消しを求めて同地裁に提訴しました。

 判決は労働が過重であったかどうかは、労働時間だけでなく堯さんがトラブル処理担当者として精神的負担が大きかったなど質的な面を含め判断すべきとしました。
 裁判後に行われた報告集会で、典子さんは「みなさんの大きな支えにより、夫に『お父さん。やっと労災が認められたよ』と報告できます」と涙を流しながら支援者へお礼を述べました。

 原告弁護団の岩井羊一弁護士は「判決は私たちの主張を全面的に認めた画期的なもの。全国の過労自殺裁判の原告を励ますもの」と語りました。
 集会後、原告弁護団と支援者代表は、愛知労働局に、小出さんの労災を認め、控訴しないように要請をおこないました。(12月15日)