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名古屋市政シンポ 基本条例で議会に変化

市長の介入に批判相次ぐ

 

 河村たかし名古屋市長が仕掛けた議会解散(リコール)と出直し市議選、議会が自らすすめた改革で「市民のための市政はすすんでいるか」を検証するシンポジウムが2日開かれました。
 河村市長の議員半減提案やリコールに反対した、「名古屋市政の民主主義を守る市民の会」が主催し、玉置真悟(減税日本)、山口清明(日本共産党)の両市議、池田千晶・中日新聞記者、梅村忠直弁護士、小林武・前愛知大学教授が発言しました。
 山口市議は、議会が制定した議会基本条例などで、「委員会審議もネット中継され、請願者も意見陳述が可能になった。議員提出条例案が増え、本会議の1問1答式討論、議員間討論など、議論に緊張感が生まれた。政務調査費の領収書全面公開、費用弁償廃止、報酬半減と議員特権が廃止された」と報告しました。
 小林氏は「基本条例は、憲法の定める二元代表制を堅持し、民主主義を大きく前進させるもの」と評価。池田氏は「以前の議会は、ベテランが水面下で物事を決め市民不在だったが、劇的に変わった」と述べました。
 河村市長が議会リコールを主導し、市長言いなり議会をつくろうとしたことについて、池田氏は「市民が選んだ議会を、市長が壊そうとすることに、もっと市民間の激論があって良かった」と発言。梅村氏が「議会にチェックされる立場の市長が、減税日本議員団の判断に口をはさむのは独裁だ」と批判すると、小林氏は「?市長党?と二元代表制との両立はあり得ない。議会が第一義的な代表機関だ」と述べました。
 山口市議は、減税日本の議員報酬問題での不一致や、前市議が公約に反して費用弁償を受け取った問題などで、「市民の願いに応えないと、出直し市議選の意味がなくなる。もっと勉強し、改革要求に応えるべきだ」と発言。玉置市議は「改革要求に応えきれず、報酬問題も会派の見解がまとまっていなかった。日々苦慮している」と述べました。
 梅村氏が、河村市長の減税を「経済効果の上では失敗だ。福祉のためなら金持ち優遇はおかしい」と指摘すると、玉置市議は「私見だが、減税は金持ちに上限があってよい。議員定数削減にも私は慎重だ」と、市長と異なる見解を表明。小林氏は「私見ばかり述べるようでは、減税日本は政党の体をなしていない」と批判しました。(7月5日)