ニュース

【06.07.09】郵便局 県内14局が集配廃止 

7月9日「愛知民報」

 日本郵政公社は6月28日、郵便物の収集・配達、貯金・保険の集金をおこなう集配郵便局(愛知県内121局)のうち14局で集配業務を廃止することなどを盛り込んだ郵便局再編計画を発表しました。この再編計画は2007年10月からの分社・民営化に向けて、同公社が職員の配置見直しとコスト削減を図るためとして検討してきたものです。

 「昨年の国会審議で小泉首相がいっていた『サービス向上させるための民営化』は嘘だった」――。身近な郵便局が集配を取りやめ、窓口業務のみになってしまうことに対して不安や怒りの声が各地であがっています。

 阿久比郵便局の集配業務は5キロメートル離れた半田郵便局に統合され、貯金業務の窓口だけになる方針です。阿久比町で広告会社を営む男性(56)は「ダイレクトメールや別納郵便物は遠い半田郵便局まで出しにいかなければならなくなる。全国一律サービスを維持すると言っていたのに」と怒りの声をあげています。「特売日などの案内メールの配達が遅れないか心配」と話すのは同町のスーパーの営業担当者です。

 半田郵便局に集配業務が集約される武豊郵便局のある、武豊町議会は6月20日、「集配業務の廃止に反対する」意見書を全会一致で可決しました。

 日本共産党武豊町議員団は、意見書可決に努力してきました。同党の梶田稔町議は「集配業務がなくなれば、高齢者や障害者などの交通弱者は大きな不便を強いられます。計画撤廃に向け、党派を超えて力を尽くしたい」と話します。

 豊橋南郵便局に集配業務が集約される高豊郵便局の近くに住む男性(54)は「仕事などで留守が多く、不在時に届いた郵便物は遠くの豊橋南郵便局まで取りにいかねばならなくなる」といいます。

 老人会役員(73)は「今は顔見知りの配達の人が、配達の際に『お元気ですか』などと独り暮らしの高齢者に声をかけています。これからどうなるのか」と心配そうに話します。
 日本共産党の八田ひろ子前参院議員は、今回の再編計画について「郵政公社はサービスの低下はさせないとしていますが、配達エリアが拡大し配達の遅れや高齢者の安否確認などサービス低下は避けられません。今回の集配業務の統廃合の次にくるのは郵便局の統廃合です。計画の撤回を求めて共に運動をすすめましょう」と話しています。

集配業務を廃止する郵便局と時期
(右記は集約先の郵便局)

 2006年10月
 二 川  (豊橋市)  豊橋南
 高 豊  ( 〃 )   〃
 老 津  ( 〃 )   〃
 形 原  (蒲郡市)  蒲 郡
 藤 川  (岡崎市)  岡 崎
 坂 下  (春日井市)  高蔵寺
 豊 山  (豊山町)  西 春
 品 野  (瀬戸市)  瀬 戸
 奥 町  (一宮市)  尾 西
 枇杷島  (清須市)  名古屋中央
 2007年2月    
 形 埜  (岡崎市)  額 田
 常 盤  ( 〃 )  岩 津
 阿久比  (阿久比町)  半 田
 武 豊  (武豊町)   〃